短編物語:輪郭

私は、ずっとこの場所にぶら下がっている。時には、満たされることもあり、時には全てを洗い流し、カラカラになるほどの渇きを経験することもあるが、それが私の求められている姿であることは間違いないと言える。

私の眼の前では、いつも男女が愛の言葉を交わす。自分自身のこと、周りで起こっていること、そしてどれだけこの時間が満ちたものであるのかを語るのだ。もちろん、その逆もある。愛の中に満たされない感情が存在していて、その愛を確認するためにお互いの時間を合わせて語り合うのだ。

私たちは、基本、ほとんどの物語に登場する。しかし、私から見た世界は全て同じように見えるのだ。私たちは、目の前の人から、どれだけ頼りになるのかという視点では見られない。

私たちは、通過点に過ぎないのだ。人間は社会的な生き物であり、全てをよくするために生きていこうとする生命体だと思う。しかし、よくなるとかよくなりたいとか、今がよくないとか、そういう判断ができるほど、人は世界を知っているわけではない。

私たちは、時間を味方につける。そして、外気を混ぜ合わせることで、私たちは変化する。

人間も早くそのことに気がつけばいいのにと私たちは説に願う。私たちにはステージがある。もっとも美味しく飲める状態は、それぞれが違っている。時間を要する場合は高くなるし、時間を要さない場合は安くなる。

さて、私たちは、あなたにクイズを出そうと思う。私たちは何だろうか。考えて見てほしい。

もし、ワイン、もしくはワイングラスだと思った人は、情報取得に長けていると言えるが、物事を決められた何かとして決定づけようとする性質にあるだろう。

残念ながら、私たちはワインではない。

その答えを探すことと、あなたの人生が良くなることはとてもよく似ている。もっとも、あなたの人生はもうすでに良いのだけれども、あなたはそのことに全く気づいていないようだ。

Share This: