速度を上げる電車の中でみる外の景色は

私は、誰もいない車両の中で、チカチカとひかる電光掲示板をみながら行き先を追いかける。それはゆっくりと左から右へと流れきて、さらには英語がローマ字表記になっているため、覚えかけの幼子のように言葉を一言一言を頭の中に響かせる。

私が向かう先はここから2時間ほど先にある。選んだ交通手段により2時間の価値が変化するため本来の2時間の持つ価値を私はどのように優劣をつけたらいいのだろうか悩む。

そんなことを考えていると、車両はゆっくりと速度をあげながら私を目的地へと運び始める。かすかに振動する車内で目を閉じ、未来に向けて全ては自分が選んでいるのだと錯覚しそうになる。

世にある物語は、なぜか賢者は男性で老人でひげを蓄えている。そして悩みを抱えているのは、まだ幼かったり、青年であったり、少女であったりする。まるで、人生の大切なことは時間がかかると言わんばかりなのだ。