<言霊乱舞>水平線と海面

私は、とても気持の良い時間を毎日過ごしいます。

何も不安がなく、お金も要らず、食にも困らず、生きることって素晴らしいという想いだけが存在する世界。

ほら、また餌が降ってきました。私の名前はエンペラーテトラと申します。

**

私はとても気持の良い時間を過ごしています。

毎日、ただ鳴くだけで皆喜んでくれます。時々籠の中からも出ることが出来て、自由に羽を広げることが出来ます。

ただ、唯一挙げるとしたら、あの水槽に泳いでいる魚が美味しそうだという事です。

私の名前は、鳥。具体的な呼び名は人間が私たちを区別するために決めたもの。鳥すらも私を現してはいないようです。

**

私は海に漂流している、旅人です。
とても優雅なプライベートヨットで、航海をしていました。
私のヨットには、水槽にいる熱帯魚と、鷲がいましたが
嵐に巻き込まれて、船が転覆してしまい、皆いなくなってしまいました。
遠くにある水平線を観ながら私は、今自分が置かれている運命を
体に巻き付けながら助けを待ち続けています。

**

私は、災害救助チームで働く職員です。
眼下に広がる海面を観ながら、人を探しています。
助けを求めている人と、助ける人という立場であり
水平線と海面を同時に見ることのできる位置に立ち
それでも救助活動の切り上げを求められています

**

私は、太陽のひかりを反射して光る、月のかけら。
多くは私の光を受け、気付くというでしょう。

**

私は、宇宙の中に存在する、始まりの声
月がどれほど声を高らかに叫んだとしても私のもとには聞こえません。
私の声は、始まりの瞬間にだけ存在していて
そのためか、いつのまにか「私」は、地球上では消えてしまいました。

 

-言霊乱舞-染井碧

Share This: